まぶたが腫れ・痛み(下まぶたの腫れ)

まぶたの痛みや腫れの症状について

目の周囲は他の部分に比べて敏感であり、痛みや違和感、かゆみなどを強く感じやすい傾向にあります。また、顔の印象を決める大事なポイントであり、皮膚が薄いので、腫れやむくみ、かぶれ、できものなどのちょっとした異常にも気付きやすくなっています。
まぶたの痛みや腫れは炎症によって起こっていることが多く、痛みや腫れ、チクチクするという症状のほか、赤み、かゆみ、充血、目ヤニ、しこり、湿疹などの症状を伴うこともあります。また、原因によっては上まぶた・下まぶたと腫れや痛みが出る箇所も異なります。こうした症状を伴う場合には、感染力の強い疾患の可能性もあります。できるだけ早く眼科を受診して、適切な治療を受けることが重要です。

まぶたの痛みや腫れの原因

むくみ

目の印象は普段とほんの少し違うだけでも違和感を生じますので、全身性のむくみを最初に気付くポイントになっています。むくみは過剰な水分摂取、飲酒、過剰な塩分摂取、睡眠不足、顔を下向きにして眠ったなど日常的な原因で起こることもありますが、疾患が原因になって生じることもあります。目の周囲だけのむくみであればアレルギー性結膜炎などの眼科疾患が疑われますが、足などにもむくみがある場合には心疾患・腎臓疾患・甲状腺疾患などの可能性もあります。できるだけ早くご相談ください。

かぶれ

接触性皮膚炎で、遅延型のアレルギー反応によって起こっています。つけまつげやマスカラなどの化粧品やクレンジング、シャンプー、植物など原因物質は多岐に渡ります。また強く擦るなどの刺激によってかぶれを起こすこともあります。強いかゆみや腫れを伴い、炎症を起こす可能性もあります。悪化させないうちにご相談ください。

コンタクトレンズ

正しいケアができていないとレンズにタンパク汚れが残り、それによってアレルギー性の慢性的な炎症を起こすことがあります。外し忘れなどによる長時間使用にも同様のリスクがあります。また、水道水などにも含まれていることがあるアカントアメーバがレンズに付着して感染するアカントアメーバ角膜炎を発症すると激しい目の痛みを起こします。コンタクトレンズを使っていて腫れや痛みの症状が現れたら、すぐにコンタクトレンズの使用を中止して当院までご相談ください。

アレルギー

花粉やハウスダストによるアレルギー性結膜炎だけでなく、目の周囲に腫れなどのアレルギー症状を起こすものは植物やゴム手袋をはじめ数多く存在します。特に目の周囲の皮膚はデリケートですので、指に付着した際には特に問題がない場合でも、その指でまぶたに触れてしまってアレルギーを起こすことがあります。抗アレルギー点眼薬や強い症状が起きている場合にはステロイドを使うことで短期間の解消につなげます。

眼瞼炎

まぶたに起こる炎症の総称で、まつげの生え際や目尻などに生じるものも含みます。ウイルスや細菌などによる感染、皮脂分泌するマイボーム腺の詰まりなど機能不全、アレルギーによるものを含みます。一般的にものもらいと呼ばれている霰粒腫や麦粒腫も眼瞼炎の一種です。腫れ、痛み、かゆみ、赤み、ただれ、しこり、まつげが抜けるなどの症状を起こし、原因や状態に合わせた治療を行います。

結膜炎

白目やまぶたの裏は結膜に覆われています。結膜炎は結膜に炎症を起こしている状態です。細菌やウイルスによって起こっていることもありますが、アレルギーによって生じていることも多くなっています。腫れや痛み、かゆみなどの症状が強く出ることも多く、完全に治さないと角膜にダメージが残って視力低下の後遺症を残すこともあります。疑わしい症状がある場合は早めに当院までご相談ください。

涙嚢炎

本来、過剰な涙は涙点から涙管に入り、目頭にある涙嚢から涙鼻管に排出されています。涙嚢炎は涙鼻管や涙嚢が詰まって細菌感染を起こした状態で、腫れや痛み、涙の増加、目ヤニなどの症状を生じます。悪化して化膿した場合は切開して排膿する必要がありますが、抗生物質による治療が有効ですので早めに受診することをお勧めしています。なお、閉塞の状態により、手術が必要になることもあります。お気軽にご相談ください。

麦粒腫

下記で出てくる霰粒腫を含めて、「ものもらい」と呼ばれています。どちらもまつげの生え際にあるマイボーム腺という皮脂を分泌する腺などに生じますが、麦粒腫はマイボーム腺などへの細菌感染によって生じ、霰粒腫はマイボーム腺が詰まって発症する異なる病気です。
麦粒腫は常在菌である黄色ブドウ球菌によって生じることが多く、腫れ、赤み、痛み、熱感、しこりなどを生じます。抗生物質による治療が有効ですが、化膿した場合には切開による排膿が必要になることもあります。なお、麦粒腫は、まつげの生え際にできる外麦粒腫と、まぶたの内側にできる内麦粒腫に分けられます。繰り返し発症する場合には、糖尿病など感染症にかかりやすくなる疾患がないかを確かめる必要があります。

霰粒腫

皮脂を分泌するマイボーム腺が詰まり、中で皮脂が固まってしこりのような腫れができている状態で、慢性的な炎症を起こします。しこりが硬いと角膜を傷付けて深刻な視力低下につながる可能性があり、角膜を傷付ける可能性が高い場合には、しこりの摘出が必要になります。また、しこりが放置されると細菌感染を起こすリスクが高まるため、しこりを生じた場合には早期に適切な治療を行う必要があります。

兎眼(とがん)

まぶたを完全に閉じることができなくなり、目の表面が乾いてしまう状態で、顔面神経麻痺や下眼瞼弛緩、甲状腺疾患など、様々な疾患が原因となって生じます。角膜障害を起こして深刻な視力低下や失明につながる可能性もあります。充血、ゴロゴロする違和感、以前より光をまぶしく感じる、涙が増えるなどの症状があったら、早めに眼科を受診してください。

眼瞼内反(逆さまつげ)・睫毛乱生

いずれも、まつげが眼球に当たってしまう疾患です。ゴロゴロする違和感、涙が増える、痛み、充血などの症状を起こします。まつげが角膜を傷付けたり角膜潰瘍を起こしたりすると、深刻な視力障害につながる可能性があります。眼球を刺激するまつげを抜けば一時的に症状は改善しますが、再び同じ向きに生えてきて繰り返すケースも多くなっています。根治のためには手術が必要になりますが、当院でも対応していますので、お気軽にご相談ください。

眼瞼下垂(がんけんかすい)

上まぶたが垂れ下がってしまう疾患です。まぶたを上げる筋肉が生まれつき弱い先天性と、加齢などによって起こる後天性に分けられます。視野が狭くなるなど日常生活に支障を生じる場合には手術が必要になります。

眼瞼けいれん

意思と関係なくまぶたが閉じてしまう疾患です。40歳以降の女性に発症しやすい傾向があり、進行すると自力ではまぶたが開けられなくなることもあります。まぶたの開けにくさの症状が出る前に、まぶしさを強く感じる、不快感、痛みなどの初期症状を起こすことがあります。自然に治ることが少ないため、日常生活に支障がある場合には治療が必要です。ボトックスによる治療でけいれんを緩和できますので、お悩みがありましたらご相談ください。

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