眼瞼(まぶた)の病気

ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)

ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)「ものもらい」とは、何らかの理由で瞼(まぶた)が赤く腫れ上がったり、痛くなったりする状態です。ものもらいは「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」の二種類に分けられます。マイボーム腺(涙の蒸発を防ぐため、油分を分泌する分泌腺)に細菌が感染することで発症するのが麦粒腫で、マイボーム腺の出口が詰まることで発症するのが霰粒腫です。
通常は、抗菌作用のある点眼薬や、抗菌剤、眼軟膏を用いた投薬治療で改善させます。しかし、改善が乏しい場合等の適応に応じて摘出手術を行うこともあります。

逆さまつげ(睫毛・眼瞼内反症)

「内反症」とは、まつげが内側に向かって生えていることで、眼球を傷つけてしまう疾患です。一般的には「逆さまつげ」と呼ばれています。
睫毛内反症は乳幼児に多く見られます。3、4歳になると、まつ毛が自然と外側へ向くようになるケースも多いです。
また、加齢により瞼の緊張が失われてしまうことにより、逆さまつげとなる眼瞼内反症もあります。
対症療法としての内反症の治療方法は「点眼薬による薬物治療」や「まつ毛の脱毛」です。重度の場合は、まつ毛を外側へ向ける手術を行います。

眼瞼外反症

あっかんべー(眼瞼外反症)「内反症」とは、逆にまつげが外側に向き、下瞼が垂れた状態です。
瞼が眼球にしっかりと張り付いた状態にならないことから目が乾きやすくなり、痛みが出たり、眼球に傷ができることがあります。
加齢により生じることもあれば、顔面神経麻痺などの症状として出てくることもあります。
重度の場合は下瞼のたるみを引き締めて、眼球へ沿わせる手術を行います。

眼瞼下垂

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」とは、上瞼が垂れ下がる状態です。瞼が黒目にかかってしまうので、「ものが見えにくい」「眠そうに見られる」「上瞼がくぼむ」などの症状が見られます。また、額の筋肉で瞼を持ち上げるクセがつくことで、筋肉の緊張が起きてしまい、頭痛・肩こり・眼精疲労が併発されるケースもあります。
原因としては大きく分けて①瞼を引き上げる筋肉(眼瞼挙筋)のたるみと②上瞼の皮膚のたるみがあります。

①瞼を引き上げる筋肉(眼瞼挙筋)のたるみによる眼瞼下垂

「先天性眼瞼下垂」と「後天性眼瞼下垂」の二種類に分けられます。
先天性眼瞼下垂は、眼瞼挙筋の未発達が原因です。生まれつき・片目のみに症状があることが多いです。視力に影響を及ぼすことがあるため、心当たりのある方は早急に眼科へ受診してください。
後天性眼瞼下垂は、加齢による筋力低下や、筋肉を瞼板(瞼の端の組織)に連結させる腱膜のたるみなどが原因で発症するケースが多いです。
近年では「ハードコンタクトレンズを使用することで、眼瞼下垂の発症リスクが高くなる」という研究結果も報告されています。これは瞼の裏側からコンタクトが筋肉・腱膜を摩耗することによるものと考えられます。そのため、ハードコンタクトレンズを使用している方は特に注意が必要です。
気になる症状がありましたら、当院までご相談ください。

②上瞼の皮膚のたるみによる眼瞼下垂

瞼を開ける筋肉自体に問題がなくても、加齢性に上瞼の皮膚がたるみ、瞳にまで覆いかぶさる状態となることがあります。この場合は筋力自体に問題がなく、皮膚を切除する手術が必要となります。

眼瞼・顔面けいれん、しわ取りボトックス治療

眼瞼・顔面けいれん

眼瞼けいれんは、両目のまわりの眼輪筋がけいれんを起こして突然ギュッと目が閉じて開きにくくなる病気です。よく目のまわりが無意識にピクピクする症状と間違える方がいらっしゃいます。顔面けいれんは、顔の片側の筋肉が無意識にけいれんを起こして収縮する病気です。初期症状では、目のまわりからピクピクとけいれんが始まり、顔半分が突っ張って、引きつった表情になってきます。顔面けいれんは片側だけに起こることが多いです。
治療方法には、ボツリヌス菌によるボトックス注射があります。ボトックス注射により神経伝達を阻害する効果があり、筋肉を麻痺させる作用があります。眼輪筋の緊張を和らげ、けいれんや収縮の原因となっている神経の働きを抑制して、緊張した筋肉を緩める治療です。治療効果は2~3日後から期待でき、2~4ヶ月程度持続します。治療の効果が薄れてきたタイミングで症状が再発する場合は、繰り返し注射を行います。治療には個人差がありますので、医師に相談しながら治療を進めてください。

眉間・目じりのしわ取りボトックス治療

加齢による眉間や目じりのしわが気になっていても年齢のせいだとあきらめている人が多いと思います。ボトックス注射を行うことで、眉間や目じりの表情じわを目立たなくする効果が期待できます。当院では、目の治療を行い、視力が改善されると、顔の表情じわが気になるというご相談を良くお受けいたします。そのような患者様にボトックス治療をご提案しています。当院には形成外科の専門医師も在籍しておりますので、ご興味がある方はスタッフ・医師にお気軽にご相談ください。

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